ホワイトデースペシャル短編

がぁ〜でぃあんHearts アフター

 ホワイトデーの再会



 この作品は元エロ漫画家「天津 冴」氏の「がぁ〜でぃあんHearts」のアフターになりますが、エロ時代の同氏のキャラクターも登場するクロスオー バー作品になっております。
 また、エロ時代のキャラが出てきても十八禁ではありません。
 十八歳未満の人も安心してお楽しみください(笑)。





 今日は三月十四日。
 世間一般にはホワイトデーと呼ばれる日である。
 ごく普通の高校生ではなくなってしまった上、美少女六人を嫁さんにしてしまった我らが主人公・渡 和也は嫁さんたちと共に街を散策していた。
 理由は前述したホワイトデーである。
 ホワイトデーのお返しを何にしたらいいか判らなかった和也は全員でそれぞれが欲しいものを買いに来たのだった。


 「和也君和也君、ひな、これが欲しいですぅ」
 ひながポワワに似た鳥のぬいぐるみを指差す。
 「和ちゃん私はこれが欲しい」
 姫はカチューシャを差し出す。
 「和也、これはどうかな?」
 真夜は包丁だった。
 「和兄、これ買ってー!」
 琴乃はご多分に漏れず、お菓子だったりする。
 「和也さん、これいいですか?」
 かつて制服ドロだったくるすはブローチだった。
 「和也様、私はこれが「うるさいぜよ!」…グホッ!」
 スカーフを取ろうとしたチェルシーはデイジィにボディブローを喰らって悶絶していた。
 みんな一応和也の財布に遠慮したらしく、ブローチやぬいぐるみなど小さいものばかりをねだっていた。


 一通りの買い物を済ませ、外に出た七人と一匹。
 そこで……。
 「ご主人様ぁ、こっちですぅ!」
 「綾、引っ張るなよ!」
 「そうよ! 私の俊君から手を離しなさい!」
 「いつから俺が和美のものになったんだ!?」
 聞きなれた声と共に、非常に見慣れたドジ忍者(笑)が長身の女性と一人の男を取り合っている姿が目に入った。

 「なあ、真夜。あれって……」
 「綾……だな……。間違いなく……」
 和也の質問に答える真夜。
 「なんでこんなところにいるです?」
 「確か任務で『恩を受けた武家の長男の護衛を生涯行う』っていってましたよね?」
 ひなとくるすも不思議顔だ。
 「とするとあの男がその『武家の長男』なのか?」
 「なんか和兄に似てるね」
 姫と琴乃も会話に加わる。
 「そうですか? 和也様のほうがずっと凛々し「やかましいぜよ」…ゲフッ!」
 意見を言い切ることなくデイジィに邪魔されるチェルシー。
 「さて……。どうするか? 見なかった事にする、って言う手もあるが……」
 トラブっているのを見て、本気でトラブルはお腹いっぱいの和也はやや及び腰。
 「一応、幼馴染みだから無視するのもどうかと思うが……」
 助けるべきかどうか迷う真夜。
 「なにやら困っているようですし、助け舟を出すほうがいいのでは……」
 影は薄いが人の良さでは1,2を争うくるすは救助をしたほうがいいと言う。
 ため息をつき、諦念の混じった表情の真夜。
 「仕方ないか……。綾ぁー!」

 「ん?」
 引っ張る事に夢中になっている二人ではなく、引っ張られている男性が綾を呼ぶ声に気づき、綾に促す。
 「お、おい綾。なんか向こうの女の子、お前を呼んでいないか?」
 「あや? 何ですかご主人様?」
 引っ張りながらも、男性……俊の言葉に反応する綾。
 「いや、向こうの女の子、お前を呼んでいないか? って聞いたんだが……」
 「そんなことよりさっさと俊君の手を離しなさい!」
 俊の言葉を遮るように叫ぶ長身の女の子。
 「だから、和美も手を離せ!」
 女の子……和美に声を荒げる俊。
 そして振り向いた綾が真夜の姿を認める。
 「あややぁ〜! 真夜ちゃんだあ〜!」
 その一瞬、綾の力が抜けたのを見逃さず和美が俊の腕を引こうとするが、普段から和美に『愛情表現』と称した攻撃を食らっている俊はすばやく腕をひねって 和美の手から己の腕を抜く。
 「きゃっ!?」
 すっぽ抜けた和美はその勢いのまま尻餅をつく。
 「いったぁ〜! なんでよ、俊君!?」
 その言葉を言ったときにはすでに俊は綾と共に真夜の方に向かっていた。
 すでに肉体関係にある女の子と、一人よがりの愛情表現をする女の子。
 どっちを選ぶかと言われれば……、私なら一人よがりの愛情表現はゴメンである(笑)。

 「真夜ちゃ〜ん!」
 懐いた犬が駆け寄るがごとくの勢いで走ってくる綾。
 そして真夜まであと二メートルと言うところで、マンホールのわずかな窪みに足を引っ掛け盛大に転んでしまう。
 変わっていない幼馴染みにため息をつく真夜。
 「やはり綾だな……。元気だったか?」
 「うん!! 真夜ちゃんはご主人様と仲良くしてる?」
 顔面を打った割には平気な顔で立ち上がる綾。
 「ご、ご主人って……大きな声で言うな!(赤)」
 「でもでも〜。やっぱり気になるの〜」
 涙目で下から見上げるように尋ねられると叱りづらくなる。一応は自分と和也との仲を取り持とうとしてくれた幼馴染みなのだから……。
 「い、一応うまくやっている……。それより綾のほうはどうなんだ?」
 「あややぁ〜。綾のほうは……」
 そう言ってすぐ後ろまでやってきていた俊の腕を抱き寄せる綾。
 「すっごく仲良くやってるの〜! 昨夜もね〜……ムグムグ……」
 何かを言おうとして俊に口を塞がれる綾。
 「余計なことを言わないように。……あ〜。その、君たちは綾の友達かい?」
 俊が綾の口を塞いだまま、真夜たちに尋ねる。
 「そうだが……貴方は?」
 警戒心を持って尋ね返す真夜。
 「ああ、言い忘れた。俺は俊。綾は俺の家に居候していて……」
 「つまり貴方が綾の主というわけか?」
 『主』。その言葉に反応する俊。
 「……その事を知っているっていうことは君も……?」
 「私は綾と同じ里の出身で幼馴染みだ……。綾が里の命令でしきたりに因って向かった先でどうなっていたか気にはなっていたが……」
 「ちょっと、俊君! なんで手を離すのよ!?」
 真夜と俊の話を遮って噛み付く和美。
 「別に和美とは付き合って無いだろ! 今日は綾のプレゼントを買いに来たんだし……」
 なおもぎゃあぎゃあと騒ぐ二人に……
 「どうでもいいが、そろそろ手を離してやったらどうだ?」
 見かねた和也が声をかける。
 「え?」
 声をかけられた俊はきょとんとする。
 「なんかぐったりしてるから」
 俊が視線を下げるとそこには口をふさがれたまま、脱力している綾の姿があった……。
 「え? うわ、大丈夫か綾!?」
 「うう……。酷いです、ご主人様……」
 口から手を離した途端、恨みがましい目で俊を見る綾。
 「す、すまん」
 「む〜……。じゃあ夜はちゃんと可愛がってくださいね」
 思わず謝る俊ににっこり微笑む綾。
 「俊君! 私と言う者がありながら、なんでそんな貧相な身体の娘とつきあうのよ!?」
 「そもそもお前と付き合って無いだろが!!」
 またもぎゃあぎゃあと騒ぐ俊と和美だった……

 その発言を聞いていた真夜たちは……。
 (「夜は……」って綾、お前まさか……)
 (むう……。もしかして綾ちゃんに先を越されたです?)
 (一応和ちゃんと結婚式は挙げたけど、正式には結婚していないわけだし……)
 (夜って何かするのかな?)
 (夜かぁ……。今度そっち系のお店の人の下着でも盗んでこようかなぁ……?)
 (私だって和也様と「だまれぜよ」…ゲフッ!)

 「で? 綾は何をしにきたんだ?」
 俊と和美がいては話が進まないようなので真夜が綾に尋ねる。
 「あややぁ〜。あのね、先月の『ばれんたいんでい』って言う日にチョコケーキをご主人様に作ってあげたの〜」
 「……そういえば、綾はケーキ以外はなにも作れなかったな……」
 里にいた頃を思い出し、しみじみと呟く真夜。
 「そうしたら、今日はご主人様が何か好きなものを買ってくれるって言ってくれたの〜!」
 「……そうか……。良かったな……。ちゃんと愛されているようで……」
 「うん! 昨夜も五回も愛してもらっちゃったし……」
 あややぁ〜、と頬を赤らめる綾。
 羨ましいと思う五人(一人はよく理解できず)であった……。

 それとは別に、和也は俊に親近感のようなものを抱いていた。
 本人が望むと望まざると、女性に振り回されている彼に、己を重ねていたのだった。
 「おい、駄ネコ」
 「なんぜよ?」
 「あっちの女の子を静かにさせられるか? 乱暴にしないようにして、だが」
 「ふむ……。これなんてどうぜよ?」
 そう言って取り出したのはガーゼとクロロホルム(何処に隠し持っていた?)。
 「じゃあ、頼む。このままじゃ話も出来ん」
 「いいぜよか?」
 「もうトラブルはお腹いっぱいなんだよ……」
 「ぜよ」
 肩を落とす和也に頷くデイジィ。

 数分後……、壁にもたれて寝る女の子を近くのデパートのベンチに移動させてから近くのファミレスに移動する和也たちだった。


 ひなを始めとする女性陣は綾と色々話していた。
 『姦しい』と言う字は『女』が三つあるわけだが、その倍以上の女性がいるテーブルは非常に賑やかだった……。

 逆に男だけのテーブルは非常に深刻そうな会話に発展していた……。
 「そうか……君も……」
 「ああ……。とりあえずこっちは全員が仲良くなってくれたからまだ良かったんだが……」
 「こっちは……、まあ、もしかしたら君も知っているかも知れないが、綾は極端に不器用でな……」
 「ああ……。真夜も里の落ちこぼれだって言ってたな……」
 和也も昔の真夜のセリフを思い出す。
 「……でも、まあ……今更あいつがいない生活なんて考えられないしなぁ……」
 「そういえばもう一人はいいのか?」
 「アイツは……ウチに押しかけてきているだけの……我が侭娘で……、しかも殴る・蹴るを『愛情表現』って言うからなぁ……」
 「いっそ、そっちも諦めて、両方を貰うか、あるいは子供でも作って諦めさせるか……」
 「子供が出来たぐらいで諦めそうになくてなぁ……。そもそも『付き合う気は無い』って言っててアレだからな……」
 ため息をつきながらコーヒーを啜る俊。
 「お互い…頑張ろう……」
 「ああ……」
 ここに一つの友情が生まれた瞬間だった(笑)。


 結局綾はホワイトデーのプレゼントとして俊に服を買ってもらい帰宅した。
 勿論、和美は置き去りである(笑)。

 和也たちも、色々と疲れながらどうにか帰宅した……。

 そしてその夜……
 「和也君」
 「和ちゃん」
 「和也」
 「和兄」
 「和也さん」
 「和也様」
 綾から色々と話を聞いた六人が和也の部屋に裸で押しかけてきたことは言うまでも無い(笑)。



 それから十ヶ月ほどしたある日、真夜に手紙が届いた。
 差出人は綾。
 開けてみると中には手紙と一枚の写真。
 赤ん坊を抱いた綾と俊の写真だった。
 どうやらホワイトデーのお返しはずいぶんと大きくなったようである(笑)。

 その日の夜、またも六人が裸で部屋に押しかけてきた。
 理由は……推して知るべし。


 渡家がさらに賑やかになるのはそう遠くない未来のようだ……。




あとがき

 ども、喜竹夏道です。
 またも降りてきた電波のままに書いてみました。
 お見苦しい部分はあると思いますが勘弁願います。
 とりあえず先に書き上げた「シャイニングボール」だけで済まそうと思っていたのですが、またも電波降臨。
 ホワイトデーネタが二本出来てしまい、まずいかな〜、なんて思いましたが投稿する事にしました。

 最近リアルで仕事が忙しく、「逆行のミナト」も更新が遅れがちですが、現在、鋭意執筆中ですのでお待ちください。
 
 ここのところ、古いアニメのロボットが超合金化したり、プラモが再販したりと出費も多いのがつらいです。
 BRAVE合金EXのレギオス&トレッドや魂SPECのブラックサレナもでるらしいし、メガゾーン23のガーランドはすでに三台(主人公カラー・自治軍 カラー・プロトガーランド)持ってるし、アーマードコアのプラモも欲しいし、買ったまんま作ってないSEED系ガンプラ(ほとんどすべてカスタム用)もあ るし……。
 ……そういやマクロスのケーニッヒモンスターも買ってなかった。マブラヴの武御雷や吹雪、ACTVイーグルに陽炎、不知火の強襲掃討仕様もまだ買ってな いし……。バブルガム・クライシスのモト・スレイヴも欲しいしなぁ……。
 ああ! SEEDのM1Aも買ってなかった! アレが無いとレッドフレームフライトユニット仕様が作れない!
 だがしかし……。このままでは家のローンが……。通勤用の車の車検が……。タイヤ代が……。ブレーキパッドも減ってきてるし……。
 やはり何かを諦めるしか無いのか……?

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